素直になれない
月曜日の外来診療は休み明けということもあり、かなりハードだった。


ひたすら流れ作業のごとくカルテを回して患者さんの対応に当たる。


通常の診察に加え、外傷の処置や注射点滴の施行。


指示を出すドクターとそれを実施する看護師が慌ただしく動き回っている。


息をつく間もない。


う、こんな状況じゃあ話もできやしない。


「砂川さんこっち手伝って!」


外来主任の雄叫びに「はい!」と返事を返して処置室へと向かった。


行ってみれば、処置台の上に寝かされた男性の頭に5㎝程の裂創があり、今から縫合処置を行う所だった。


傷の周囲を剃毛して、麻酔や器具の準備。


縫合部位を分かりやすくするために無影灯のセッティング。


頭の傷は出血が多いから止血をしながら患者さんの顔色を見たり声をかけたり。


そうこうしているうちにドクターがやってきて処置が開始になった。



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