Secret answer ~キミノトリコ~
会場を出ると、辺りはすっかり暗闇に包まれていた。
「それにしても今日の奏くんにはやられたわ…もちろん良い意味でなんだけど!なんかもう…はぁ、語彙力」
「はは…」
わりと響くん一筋のはずの実彩子先輩ですらこんな状態になってしまうくらい、今日の彼の姿はなかなかにレアだったらしい。
「あー!今日は良い夢見られそう…っていうか、夢に出てきてくれないかしら」
「今までに出てきてくれたことあるんですか?」
「何回かねー。でも出てきて!って思った日に出てきてくれたことってないのよね…ほんとツンデレだわ、私の響くん」
…うん。幸せそうでなによりだ。
見たことがないくらい頬を緩めた先輩が可愛いだなんて思ったことは言葉には出来なくて。
心の中に留めて歩みを進めながら、今日のライブを思い返す。
照明が消えてからそーちゃんのセリフまでの一連の流れ。
おそらく新曲の演出だったのであろうそれは…見事にお客さんの心を掴んだようだった。
笑顔までクール、才色兼備な王子様。
それがphaseのパフォーマー…早見奏。
彼が曲中にマイクを持ったこと。
普段見せないような表情で笑ったこと。
そんな話題は会場を出てからもファンの間で幾度となく囁かれ、その日のSNSを騒がせることになるのだった。
「それにしても今日の奏くんにはやられたわ…もちろん良い意味でなんだけど!なんかもう…はぁ、語彙力」
「はは…」
わりと響くん一筋のはずの実彩子先輩ですらこんな状態になってしまうくらい、今日の彼の姿はなかなかにレアだったらしい。
「あー!今日は良い夢見られそう…っていうか、夢に出てきてくれないかしら」
「今までに出てきてくれたことあるんですか?」
「何回かねー。でも出てきて!って思った日に出てきてくれたことってないのよね…ほんとツンデレだわ、私の響くん」
…うん。幸せそうでなによりだ。
見たことがないくらい頬を緩めた先輩が可愛いだなんて思ったことは言葉には出来なくて。
心の中に留めて歩みを進めながら、今日のライブを思い返す。
照明が消えてからそーちゃんのセリフまでの一連の流れ。
おそらく新曲の演出だったのであろうそれは…見事にお客さんの心を掴んだようだった。
笑顔までクール、才色兼備な王子様。
それがphaseのパフォーマー…早見奏。
彼が曲中にマイクを持ったこと。
普段見せないような表情で笑ったこと。
そんな話題は会場を出てからもファンの間で幾度となく囁かれ、その日のSNSを騒がせることになるのだった。