Secret answer ~キミノトリコ~
「いった…」
いつもより重く感じる瞼をゆっくりと持ち上げた。
ずきずき重い頭の痛みを感じながら、遠くの方にある意識を手繰り寄せていく。

どうやって帰ってきたんだっけ…

そんな折に感じた、自分の隣にある自分以外の何かの気配。

「んー…もう、朝?」
「…」
聞こえた声に釣られるようにして、視線を横に移した。

朝日に透けてキラキラと輝き、時折透けて見える色素の薄い髪。
とろんとした、どこか色気を含んだ蕩けそうな瞳。
少し低めの…寝起き特有のくぐもったような甘い声で言葉を紡ぐ唇。

わぁ、寝起きなのに綺麗な顔…

…ん?

「え?」
それがおかしな状況なのだと理解するのに、私には時間が必要だった。

「な…そ…え…!?」
ぽかんと開いた私の口から、うまく言葉が出てこない。

…なぜ、そーちゃんが同じベッドで寝ていたのか。しかも半裸で。

目の前の彼から視線を逸らして部屋の中を見渡すけれど、ここが私の部屋であること関しては間違いないらしかった。

昨日は…実彩子先輩と一緒にphaseのライブに行って、河原でそーちゃんに会って。

そのあとそこに律さんと音くんが来て、そのまま他のメンバーと合流してなぜか打ち上げに混ぜてもらうことになって…

…で、どうしたっけ?

そこから先の記憶が、ぷつりと糸が切れたみたいに思い出せない。
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