詩集 風の見たもの
【紅葉(もみじ)】

世の中二十一世紀。けれど紅葉は変わらない。
ハラハラ落ちる木の葉には、そよ吹く風がよく似合う。

風が紅葉を纏うのか、紅葉が風を纏うのか、
彩り豊かに舞い踊り、地面を錦で敷き詰めた。

「さっききれいにしたばかり、
 なのにこんなになっちゃって」
「この時期仕方ないんじゃない?」
「分かってはいるんだけどね」

どこかでそんなやりとりを、していそうな澄んだ朝。
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