詩集 風の見たもの
【風潮】

なんとなくでも感じれば、その傾向はあるだろう。
自分だけでは不安でも、皆がそうなら大丈夫。

安全圏に身を置いて、人だけ誹り、嘲笑う、
卑怯で野蛮な振る舞いも、誰もがするからみんなする。

この手の事はすぐ流行る。炊きつける奴、煽る奴、
責任持つ気は無いくせに、無意味な事だけやりたがる。

やられる方も問題だ。被害者づらして大声で、
他人を攻撃してるけど、それじゃ私もこうこうと、

言い出す奴も多くいて、結局新たな騒動が、
起きて混迷深めてる。それも含めて世間では

「風潮」なんて言ってるが、いつもの様に、風自身、
誰とも関わり持たないし、煽るにしても物理的。

チカラまかせに吹き飛ばし、後腐れなく去ってゆく。
善きも悪しきも一緒くた、まとめて始末するだけだ。

人の世界は面倒で、理解し難い事ばかり。
そんな事など放っとこう。今日も元気に風が吹く。
< 29 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop