詩集 風の見たもの
【帰宅】

一日のつとめを終えた帰り道。
 行き交う人はせわしなく、
 無言でわきを行き過ぎる。

風に吹かれて歩く道。
 日々の営みよどみなく、
 流れて消える、営々と。

夜に抱かれ進む道。
 今日も帰りを待っている、
 妻を思って空を見る。

ようやく着いた終わり道。
 妻の笑顔にまた会えて、
 ほっと一息こぼれ出る。

明日も元気でつとめ上げたい。


うつせみの 世を走りゆく労働者。
 癒しは一つ 君の微笑み。
< 31 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop