詩集 風の見たもの
【村八分】

人の世は時に過酷で生きにくい。
余計な事に気を遣い、やおら心をすり減らす。

万一足並み乱したら仲間はずれにされるとか
要らぬ恐怖にとらわれて不条理、理不尽、身に纏う。

人の性だと割り切って耐え忍ぶ事は出来るけど
それでは済まない事もあり、ほとほと嫌になってくる。

そんなものだと知ってても次から次にやって来る
理不尽、暴虐、因習に、愛想が尽きる、尽き果てる。

柵全てを断ち切って真の自由を得たならば
村八分だって構わない。むしろ足りない位だね。

村八分だと残り二分、嫌な縛りが残ってる。
村十分ならスッキリだ。自由と誇りが守られる。

人の噂も何処吹く風と受けて流して前を向く。
そうして初めて得ることが実現する物だってある。

そう。勘違いは禁物だ。がんじがらめの見せかけの
平和は惨めな隷属だ。いばらの孤高の中にこそ

魂が住む場所がある。運が良ければお互いに
認め合える相手を得て共に歩んでいけるはず。

人のさだめは風の様。どちらに向くかわからない。
偽りだらけの絆などあっと言う間に消え去って

ホントは孤独だった事、思い知る日もあるだろう。
それこそ真の魂の安住を得るチャンスになる。

人は所詮は一人きり。一人で生まれ、一人死ぬ。
先ずは自分の足で立ち、確かな一歩を踏み出そう。
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