傷つけたいほどに憎み、輝く君を思う
次の日、週刊誌にあいつが自ら証言者として、二股を実はかけられていたこと、そしてそれをネタにしてきて、あの日色々絡まれ中傷されたことを、全て告白したスクープ記事が掲載された。


それを面白おかしく報道する週刊誌もあったが、週刊誌の中でも一番敏腕とされるライターのおかけで、思惑通りこちら側に味方する意見をいう人たちも増えてきた。


そして、報道の波に乗せられたこともあり、アルバムの売上がミリオンチャート1位を獲得した。


音楽雑誌取材の帰り際、俺は登也に呼び止められた。


「アサト、お前なんか最近無茶しすぎじゃねえか?焦る気持ちも分かるけど、今回のことでお前の立場余計に悪くなっちまったじゃねえかよ」


「別に…」


「恋坂道の売上と今度のアルバムの売上のお前の分を全部パーにして会社説得するなんて、まじ有り得ねえだろう?それで生活できんのかよ?」

「貯めてた金があるから生活できる。お前だって、先月分と今月分の給料無しだろ?」

「おまえだけに無理はさせらんねぇよ。元々は俺が作ったバンドだぜ?バンドやメンバーを守りたい気持ちは一緒だ」

「まあ最初にお前からそんな話聞かされた時は、正直無謀じゃねって思ったけど…。結果的に、売り上げめっちゃ良かったし、優里のことも守れたから良かったけど。でも美春に頼まれてた指輪が……指輪…ああっ…」

「悪いな・・・」

「でも本当に、お前ひとりで無理すんなよ?昔っからお前ひとりで抱え込むことあるじゃねえか。」

「大丈夫だよ」









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