傷つけたいほどに憎み、輝く君を思う

「みなさーん、今日はとことん飲みましょう！！カンパーイ！！」


都内の隠れ屋的な小さい居酒屋を貸し切り、総勢10人ほどのスタッフと広いテーブルを囲んで、ユリが真ん中に立ち、乾杯の音頭をとる。


あいつは目立ちたがり屋なため、いつも仕切る。そして、飲みながらスタッフ全員にマメに挨拶して回るし、気を配る。



だから、仕事に対して不真面目な部分があっても、なぜかそういうところの酒の付き合いで、スタッフからは好かれている。



「そこそこ、テンション低いぞ！！もっとテンション上げて！！今から私、そっち行ってあげるからー」



大して飲めないくせに、あいつはどんなに疲れていても飲んで、天性の明るさで場の雰囲気を盛り上げる。



こういう場が非常に苦手な俺には、あいつの盛り上げで、会話が勝手に盛り上がってくれるため助かる。