傷つけたいほどに憎み、輝く君を思う

「わかったじゃなーい!この間だって、仕事以外で付き合う気はないとかなんとか言ってたじゃない!」


「あちゃあ、そりゃひでぇな」


「私、はっきりいって、美人だし?男に苦労したことないの。なのに…なんで?意味わかんない!」



あいつは勝手に怒り出し始め、見る見る顔を真っ赤にしている。



「大体、アサトはどうしていつもそんな風に表情変えないのよ?ほとんど話もしてくれないし…」


またいつもの早口で一人勝手に息継ぎを忘れるほどに語り始める。


「あれれ……なんか熱ーくなってーきた」


そう言って、自分の額に手を当てながらゆっくりと立ち上がった、フラフラした足つきで危なかしく歩き始める。



「あ、ごめんなさいね。ちょっとトイレに…」


なんとなく嫌な予感がして、後をついていった。


あいつは眠そうな目をして、靴置き場でなぜかソックスを脱いでいた。


「おい、なにしてんだ?」


そして、次に何も言わずジャケットを脱ぎ始めた。


「んー?…あついのーーー」






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