傷つけたいほどに憎み、輝く君を思う
白い光が見えて、雷のとどろく音が聞こえる。


『残念ですが、このままだと1年持ちません。一刻も早く手術をうけることを考えてください』


あと少し…。


俺の体も、心も、全てを終わらせることができる。


死ぬ勇気がなくても、勝手にこの命を奪ってくれる。



だから、その時まで俺は…汚い思惑を受け入れよう。機械のように、感情をなくして。



『アサト…死なないで!…お願い…』


『お前のことは、俺たちが守るからな』



何度も何度も胸の奥から込み上げる、喉を締め付ける気持ち。


この体はこんな時に発作なんて起きず、眠りにつくこともできず、果てしなく体中を締め付ける。



長く絶望の夜が続く。




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