傷つけたいほどに憎み、輝く君を思う
「ああ…‥死ぬのにふさわしいんだな…」


息をするのが苦しいのに、笑いが込み上げてきた。


冷え切ったアスファルトの上に横たわり、声を出して笑った。


数日前に医者に宣告されたんだ。もう俺の体は5年ももたない体だと。



この時からだった。



何もない自分が悪いと分かっているはずなのに、俺は生まれながらの才能に恵まれた彼女を心底恨んだ。



そして、俺は自分自身を守るために、昔の自分に戻った。



生活に必要な金を得るために、女に体を売ったことがあった。



今は、自分の権力を持つために、音楽業界に権力のある女に体を売った。



「顔だけじゃなくて、良い体しているのね…」


「……」



恥も嫌悪も何も考えなかった。



感情も感覚も、全てを押し殺し



「あなたは、何が欲しいの?」


むせかえるようなきつい香水の香りとともに裸の体が包まれた。






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