傷つけたいほどに憎み、輝く君を思う

最低女

俺が権力の体を売ったことで、俺はバンドShinneylineのベースメンバーとしてデビューが決まった。



今まで会ったこともなかったボーカルの女ユリは、実際一緒にバンドを組んで、仕事をしていても不真面目な態度のやつだった。


遅刻はする、芸能界に入ったということで男アサリをすることしか考えず、 本気で殴ってやろうかと思った。


「どうしたんだよお前!!さっきも女にまで手あげようとして」

「あんなチャラチャラした女、なんで入れたんだ!?」

「まあまあ、なんとかなるっしょ?。俺たちがデビューするにはあの子が必要不可欠なのはどうしようもないことだし。なんだかんだ言って、めちゃいい声してんじゃん?」

「気に食わない…歌えるからって不真面目にやりやがって。どうして、こんなにデビュー前から問題が山積みなんだ…」

「そんな焦んなよ。始動したばかりなんだから。まあ、こんな小さい問題よくあるって。さっきのお前の怒りで、あの子も少しは頭冷えたと思うよ」

「時間がたりない…」



この居場所をくれた親友登也のために、俺はなんとしてでもこのバンドをのし上げたかった。


でも、俺には時間は限られている。残酷に時は過ぎていくようで、時計の刻む音が、心臓の音と重なる。


「なんかまたやばいこと考えてんだろお前…?なんかあの社長に言われでもしたか?」


「別に何もない…」
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