傷つけたいほどに憎み、輝く君を思う
「ユリは、お前のこと好きなんだよ!!」

「は…?」

「そんな嫌そうな顔するなよ。ユリは性格には難ありだけど、美人だし、スタイルいいし、お菓子はうまいし。
うまく使えば良い嫁さんになるぞ?」


「あり得ない…」

「でさ、今度ユリの誕生日あるから、美春にお前を連れてこいっていわれててさー。俺の顔をたてるとおもって一緒に来てくれよー」

手を合わせて登也は必死に頼み込んできた。

「登也さん、音リハでーす」

「はーい」



登也にそういわれて、初めてあいつの行動していることがよくわかった。

俺はたまらなく憎くて嫌いなのに、なんて皮肉なんだろうって思った。



でも冷静に考えた時、あいつがそういう思いで俺を見てるなら…



俺にもし何かあったときは…



『あいつの気持ち』を都合よく利用すればいい。


俺は譜面を机に置き、ベース片手に立ち上がった。
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