傷つけたいほどに憎み、輝く君を思う
だから、あのクリスマスライブの日…


「…うぅっ…っ…」

「アサト…?どうしたの…大丈夫!?」


屋内の小さいライブハウスでライブを終えた後、心臓の発作を起こして、人の来ない非常口で薬を飲んでいたのを、運が悪いことにあいつに見られてしまった。


こいつや周りにばれないためにどうしたらいいか。


特にこいつにばれてしまえば、会社にばれてしまい、俺は有無を言わさずクビになる。


息があがり、「来るな」と、声を出すことができない。


咄嗟に出した答えは、これしかなかった。


「どこか……?」


あいつの細い腰をつかみ、体を抱き寄せた。


「ふっ…ん!?…」

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