砂漠の酒盛りに迷いこんだ猫
ネモはお皿を洗うこともせず、お風呂にも入らず、歯磨きもしないでパジャマに着替え始めました。
脱いだ服は床にほったらかし。
家中が散らかって、ごちゃごちゃしています。


「お母さんは散らかしっぱなしにしないでって言うけど、すぐに手に取れていいかもしれないよ」


ネモはふふんと鼻を鳴らし、寝室へ行こうとします。
自分が脱ぎ散らかしたズボンに足をひっかけて転びかけましたが、知らんぷりをしました。


「あ、そうだ。いいことを思いついた」


ネモはウキウキしながら戸棚の前に走っていきました。
扉を開けると、中にはおやつがいっぱい入っています。


「一度でいいから、布団の中でお菓子を食べてみたかったんだ!」


戸棚にはポップコーンやクッキー、せんべいもあります。
けれど、ネモが手にとったのは落花生でした。


「いけないことをするって、なんて楽しいんだろう」


砕けた殻や薄皮が散らかって大変なことになると少しためらわれましたが、それでもネモは落花生を掴んで寝室に入って行きました。


「お腹いっぱい落花生を食べるのが夢だったんだ!」
< 6 / 16 >

この作品をシェア

pagetop