偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
去年つき合い始めたときは、野田も稍も誕生日が過ぎていた。
そして、クリスマスプレゼントの代わりがエンゲージリングだった。
あまりにびっくりして、稍は用意していたマフラーがショボすぎて渡せなかった。
年が明けて、バタバタと結婚話が進み、なかなかリングのお返しを用意できない中「大阪の夜」があった。
それから、瞬く間にエンゲージリングを返して婚約破棄となった。
クリスマスのマフラーは沙知にあげたら、山田へのバレンタイン兼誕生日のプレゼントになった。
そもそも……お互い「縁のなかった人」だったのかもしれない。
「さよなら……康平。
今度は、あなたのことが好きな人と婚約してね」
最後にそう告げて、稍はテーブルをあとにした。