偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「騒ぐな。やかまし。黙れ」
やはり、関西のアクセントだ。しかも、かなりぞんざいな口の利き方である。
青山が関西の出身だということは知ってはいたが、彼の関西弁を聞くのは初めてだった。
……実家からなのかしら?
GWだから、帰省しろっていう催促とか?
「おう、ほんで『やぎやや』なんていう、へんてこりんな名前になってたわけやな?」
青山の今までの無愛想な表情が一変して、急にくくっ、と笑い出した。
「アホか。おまえが結婚して名字が変わったわけやない、っていうことくらい知っとるわ」
笑いがどんどん大きくなる。
リムレスの眼鏡を外した。
神経質そうないつもの顔つきは、今やまったく影を潜めた。
人懐っこそうな……まるで少年のような笑顔だった。