偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
くちびるを離したあとの智史を見上げる稍の瞳が、潤んでいて艶めかしい。
「……うちのオカンの前でも、そういう瞳でおれを見てくれよ」
智史は稍の濡れたくちびるを、親指の腹でそっと撫でながら、にやりと笑った。
「なんやったら、部屋もごっつうキレイになったことやし、ここで記念すべき『おれとの初めて』をヤッてもええぞ。
……それとも、寝室に戻るか?」
稍は、はっ、と我に返った。
……まっ、また、流されるとこやった。