偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「君には、僕の専属として事務サポートをしてもらう。ほかのヤツらのサポートは僕の仕事が手薄になったときでいい」
青山が淡々と言った。
稍は卒倒しそうになった。できる限り関わりを持たないようにしようと思ってたのに。
「えぇっ、ずるいっすよ、青山さんっ!
ハケンさんには平等に仕事してもらいましょうよっ!」
午前中の半ばから外回りのために出ていた山口が、戻ってきていきなり不平を言った。
「そうですよぉ、早速お客様アンケートの集計をやってもらって、すっごく助かったのにっ」
麻琴も納得せず、ムッとした顔をしている。
「青山さんは言い出したら聞かないからなー」
石井は苦笑しながら、人差し指で顳顬を掻いている。
だが、そんな声には見向きもせず、青山はきっぱりと告げた。
「だから、君にはこれから毎日、僕の隣に座ってほしい」
……はぁ⁉︎
「隣にいないと時間のロスだからな。
わかったのなら、さっさと昼メシに行ってくれないか」
そう言って、青山は手首のザ・シチズンを見た。
一見、何の変哲もないホワイトフェイスにステンレススチールの腕時計だが、実は日本の時計の技術力の結晶だった。