偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「さ…智くん、ひどいっ」

稍は口惜しくて泣きそうだ。

「食べへんって言うたのにっ。それに、ほしかったら、ここにあるやんっ!」

稍はガラスの天板の上に置かれた、炭火焼きとりが何本か盛られた皿を指差した。

「おれは、稍が食べてるヤツが旨そうに見えたんや」

そう言って智史は食べ終わった竹串を、からん、と皿の上に投げた。

……こっ、子どもかっ⁉︎

稍は辺りを見回して、本気で「凶器」を探した。
しかし、キレイに片付け過ぎてしまったあとだった。

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