偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
たぶん、麻琴は今までの「セフレ」だった「物分かりのいい女」をかなぐり捨てて、智史に電話してきたのだろう。
彼女のような「高嶺の花」にとって「ハイスペック」な智史は、だれもが「納得」できる相手だ。
きっと、当初は「セフレ」の「都合のよい女」からスタートしたとしても、そのうちに自身もまたハイスペックだし、さらに惜しみなく「女を磨く」ことによって、いつか必ず智史を振り向かせることがてきると思っていたに違いない。
だけど突然、智史から「ほかの女」しかも「幼なじみ」と結婚するから今までの関係を清算してくれ、と言われてしまった。
麻琴にとっては、まさに青天の霹靂である。
「いい女」キャラでつき合ってきた手前、いったんは引き下がったものの、やっぱり納得がいかない。
そうだ、もしかしたら「本当の気持ち」を告白したら「そうだったのか…」とわかってくれるかも……と、稍は推察する。
……甘いわ、麻琴さん。
男の人は「最初」が肝心なんだわ。
どんなに「いい女」であっても、その男にとっていったん「セックスするのに都合のいい女」となってしまえば、「昇格」するのは至難の業なのだ。