偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「ぼくが大人になったら……」
稍は智史の横顔を見た。
鼻筋がすっ、と通った端整な顔立ちだ。
「……ややちゃんを迎えにきてええか?」
その声は、微かに震えていた。
「うんっ、迎えにきてっ!
……やや、待っとうからっ!」
稍は間髪入れずに無邪気に叫んでいた。
「……意味、わかりようかな?」
智史は少し困った顔をした。
稍は首を少し傾げる。
「まぁ……ええわ」
智史はふっ、と笑った。
稍にはなんだか、急に大人みたいに見えた。
そして、智史は意を決して告げた。