偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
つい先刻、車が淀川大橋を渡ったとき、稍も智史も愕然とした。
橋の向こうは電気が煌々と光り輝いていて、「地震前」の営みが、そこにはあったからである。
神戸はまるで爆弾を落とされたかのような惨状なのに、大阪は「元のまま」だった。
「普通」に生活していた。
「神戸」だけが「異状」であったことを、まざまざと見せつけられたのだ。
そして、そんな「神戸」を出て、稍も智史もそれぞれの土地で暮らしていかなければならないのならば……