偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「稍……昨夜はおまえが果ててしもうて、一回しかできへんかったから」
智史の目が欲情の兆しを見せ始める。
「えっ……いやっ……それは……智くんが、果てしなく長いからっ」
稍はあわてて智史から身を離そうとする。
「ありがとう……それは、男にとっての史上最高の褒め言葉や」
智史が逆に稍に覆いかぶさって、その動きを封じ込める。
「せ…せやからっ……今日は……朝から……出かけやな……あかん……しっ……」
智史が啄むようにくちびるを重ねてくるから、稍の言葉が途切れ途切れになってしまう。
「……ほな、とっととハジメよか?」
それ以降、稍は「余計なこと」は一切話せなくなった。