偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

稍の申し出に、智史の返事は「どちらも却下」だった。

……はぁ?

呆然と佇む稍を、智史はこの上なく険しい表情をして抱え込むように寝室へ連れて行った。

今度は唖然とする稍を、智史はいつになく余裕がない様子で性急に抱いた。
稍はまだ完全に濡れていなかったので、少し痛い思いをしたが、いつものように彼をまるごと受け入れた。


神戸の夜以来、稍は週末が来るたびに智史に抱かれていた。智史が早く帰れれば、平日でも拒んだりはしなかった。

(きた)るべき「別れ」に向けて、智史には稍が一生忘れられないほど、つよくふかくこのカラダに刻みつけてほしかったからだ。

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