偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「面倒だからと言って、その程度の仕事で派遣を使うな。自分でやれ」

青山は山口を冷たく見た。
稍に寄って行くのが見えたため、課長の魚住のところからひとまず戻ってきたのだ。


魚住は遠くの席からこちらを見て、なぜかニヤニヤ笑っている。

稍は突如緊迫してしまった雰囲気に、なす(すべ)もなく固まった。

麻琴は仕事の手を止めて、じっくり観察する態勢に入った。

石井はやれやれとばかりに、半ば呆れながらユニマットのコーヒーをごくり、と飲んだ。


「そ、その程度って……所詮、派遣がやれる程度の仕事っすよ。それを任せてなにがいけないんっすか?」

山口は声を尖らせた。

< 50 / 606 >

この作品をシェア

pagetop