偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
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おでこに冷えピタを貼られた稍は寝室のベッドで寝かされていた。
しこたま強い酒を呑んだあとに、バスルームで「あんなこと」をさせられたのだ。
のぼせないわけがない。
「稍……悪い。ごめんな」
さすがの智史も「反省」して謝った。
身体中を火照らせて、熱い息を吐く稍を腕枕して、その髪を優しくやさしく、撫でている。
稍は先刻から、なにやら譫言のようにつぶやいている。
智史は稍の口元に耳を寄せた。
「……す…き……やや……さとくんの…こと……だいすき……」
智史の切れ長の目が見開かれる。
「……やや……さとくんの…ため…やったら……なんでも……する……」
智史の鉄仮面と呼ばれる無機質な表情が、跡形もなく完全に崩れた。
「稍……実は、神戸でな……」
そう言いかけて、やっぱり稍にちゃんと意識があるときに言おう、と思い直した。
そして、智史は自身の左手で稍の左手をそっと握った。
二人の薬指には、互いにつけ合って「誓いのキス」をしたあの日からずっと、ティファニーのハーモニーがあった。
おでこに冷えピタを貼られた稍は寝室のベッドで寝かされていた。
しこたま強い酒を呑んだあとに、バスルームで「あんなこと」をさせられたのだ。
のぼせないわけがない。
「稍……悪い。ごめんな」
さすがの智史も「反省」して謝った。
身体中を火照らせて、熱い息を吐く稍を腕枕して、その髪を優しくやさしく、撫でている。
稍は先刻から、なにやら譫言のようにつぶやいている。
智史は稍の口元に耳を寄せた。
「……す…き……やや……さとくんの…こと……だいすき……」
智史の切れ長の目が見開かれる。
「……やや……さとくんの…ため…やったら……なんでも……する……」
智史の鉄仮面と呼ばれる無機質な表情が、跡形もなく完全に崩れた。
「稍……実は、神戸でな……」
そう言いかけて、やっぱり稍にちゃんと意識があるときに言おう、と思い直した。
そして、智史は自身の左手で稍の左手をそっと握った。
二人の薬指には、互いにつけ合って「誓いのキス」をしたあの日からずっと、ティファニーのハーモニーがあった。