偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎

「それから……」

……まだ、あるんかいっ!?

「おまえには、十月からはおれのアシスタントとして、情報システム部に異動してもらうことになってる。システム(S)エンジニア(E)並みの知識と技術がないと務まらん部署やから、最低でも基本情報(F)技術者(E)は絶対に取ってもらうぞ。おれがビシビシ鍛えたるからな」

口ではそんな厳しいことを言いながら、智史は稍にちゅっ、と甘いキスをした。

……そんなふうに考えてくれてたんやったら、なんでもっと(はよ)う言うてくれへんの⁉︎

稍があんなに思い詰めて悩んでいたのは、なんだったのだろう?

「ほんで、もし、おまえとおれとの間に、子どもができたとしたらな……」

智史がはにかんだ笑顔になる。


……そこまで、考えとんのかいっ!?

稍は智史の腕の中で、完全にぐったりと脱力した。

< 601 / 606 >

この作品をシェア

pagetop