偽装結婚はおさない恋の復活⁉︎
「それから……」
……まだ、あるんかいっ!?
「おまえには、十月からはおれのアシスタントとして、情報システム部に異動してもらうことになってる。システムエンジニア並みの知識と技術がないと務まらん部署やから、最低でも基本情報技術者は絶対に取ってもらうぞ。おれがビシビシ鍛えたるからな」
口ではそんな厳しいことを言いながら、智史は稍にちゅっ、と甘いキスをした。
……そんなふうに考えてくれてたんやったら、なんでもっと早う言うてくれへんの⁉︎
稍があんなに思い詰めて悩んでいたのは、なんだったのだろう?
「ほんで、もし、おまえとおれとの間に、子どもができたとしたらな……」
智史がはにかんだ笑顔になる。
……そこまで、考えとんのかいっ!?
稍は智史の腕の中で、完全にぐったりと脱力した。