君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


まぁ、今こうして逢とデートもどき出来てるのはあいつらのおかげなんだけどさ。

『…なーくん、ち、かい』

か細い声に顔を横に向けると鼻が触れそうな距離に居て、そういえば目線を合わせるために寄ったんだったと思い出した。


『…わり…ぃ、、』

『あ、いや、大丈夫…』


ふたりして顔を赤くして、気まずい雰囲気でいる所にちょうど理久たちが来てくれたから助かった。

『じゃあ映画終わったらまたここで』

理久が嬉しそうに日向と笑いながら先にスクリーンに入っていく。


『…じゃあ、俺らも行こうか』

『…うん』

俯いて歩く彼女の顔は、真っ黒な髪で見えない。

…どんな顔してんの、逢。

無意識にさらり、と触れた彼女の髪の毛を耳にかけてハッとする。

え、俺…なにやってんの……

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