君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
『……な、ーくん…?』
でも、それで丸見えになった逢の耳と顔が真っ赤で、白い肌に映えていた。
…照れてた、の?
彼女の赤面に俺は赤面してしまって、ふたりで笑い合う。
…幸せだなぁ。
そんな気持ちで見た映画は、思ったよりも面白くて、綺麗で、何だか眩しかった。
『ん〜っ、面白かったぁ』
映画を見た後、ゲームセンターに寄った帰りの道で満足そうに言う逢と日向。
『また、四人でどこか行こうね』
そんな日向の言葉に俺たちは笑いながら頷いた。
でも今日はほぼ四人というより、二人で過ごしたよな…
『じゃあ、ここで!』
中学が同じだった理久は今は祖母の家に住んでいて、逢と同じ中学の日向は遠いから寮に住んでいる。
だから帰りのバスに乗るのは俺と逢だけ。
『じゃ、またな』