君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
「楽しみだね」
盛り上がる日向と理久を横目に、逢は囁くようにそう言って笑う。
…あぁ、本当、可愛いな。
彼女の笑顔は、花が咲いたように綺麗で、可愛くて、俺はいつもつられて笑う。
前の世界よりも逢がたくさん笑ってくれるから告白しなくてよかったな、なんて思って自分で傷付いたりもするわけだけど。
前の世界で告白したのはちょうどこの時期だったかな。
梅雨明けで、どこかから聞こえる綺麗な風鈴の音と蝉の声がやけに耳に残ってた。
それと、うるさい心臓の音も。
夏休みはもうあまり話せなくなってたかな。
俺は部活と遊びで充実してたけれど、あの時逢は何を思って、何をしていたんだろう。
俺から、連絡待ってたりしてくれてたのかな。