君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


那知は、気付いてないんだろうな。

まだきっと、諦めた恋を諦められてないこと。

まだきっと『好きだよ』って言ったその子のこと、『恋をしてた』って言ったその子のこと…

まだ、すごくすごく好きなこと。

今、自分がどんな顔をしてるかってこと。



そんなに、泣きそうな顔、しないで……


「逢?…どうした?泣いてんの…?」

泣いてるのは…那知、でしょ。

「しょうがねぇなぁ…」

歪む視界の中で見えたのは、君の目が潤んでたことと、それでも優しく浮かぶ笑顔だった。


「逢が誰に恋しようと、俺はお前の味方だよ。辛かったら慰めるし、幸せなら惚気でも聞いてやる」

「だから笑え、逢は笑った方が可愛いよ」

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