君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
君の笑顔は黄色
「わぁ〜、綺麗」
目の前にはたくさんの向日葵が咲いていて、視界いっぱいの黄色が眩しい。
夏祭りの日に逢と話していた向日葵畑。
いつもの四人と、裕也で来ていた。
「誘ってくれてありがとな、那知」
そう笑いながら言う裕也は逢を見て頬を染めている。
わかるよ、今日の逢ほんと可愛いもんな。
淡い黄色のふわふわとしたワンピースにブラウンのサンダル。
向日葵に溶け込んで、どこかへ行ってしまいそう。
「那知、行こ」
彼女は俺の手を取って背の高い向日葵の中へ入り込んでいく。
「え、ちょ…」
「へへ、向日葵しか見えなくて、ここに居るの私たち二人だけみたいだね」
弱い風が花を揺らして、夏の匂いを運ぶ。