君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「おっはよぉー!」

「おはよう」

日向のバカっぽい大声と、綺麗な彼女の声が聞こえて、その場にいた全員が目を向ける。


「おっ?どうした?なんかあった?空気おかしくない?」

こういう時、日向が空気が読めない性格で良かったと心底思う。


「なんでもねぇーよ、それより日向お前めっちゃバカっぽかったぞ、さっきの挨拶」

「…えっ、理久ひっどい!」

ほのぼのとした会話を夫婦漫才のように繰り広げる2人に空気は変わって、教室は明るくなる。


人が居るとこで、理久と言い合うのは、ちょっとしくったな……

なんて思いつつ、まだ言い合っている2人を微笑ましそうに見つめる彼女のそばへ歩く。

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