君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「…でも、前の距離感が少しおかしかっただけだよ俺たち。それに、俺にとって逢が大切だってのは、何も変わんねぇよ」


「……那知はそんな漫画みたいなセリフ、なんでもないみたいに言ってずるいよ…不覚にもキュンとしちゃう。…でも…私も、那知は大切な友達」

“友達”

それでいいはずなのに、どこかで傷を負って。

“ともだち”

そうやって線引かれちゃたまんねぇよ、なんて思ってる。

“トモダチ”

バカみてぇだなぁ、俺。

…自分にまで振り回されてるよ。


ほんと、バッカだなぁ。

泣きそう、なんて。
ずっと、こっちの世界に来てから、ずっと。

逢がいなくなった時と同じくらい。


失恋て、思い通りにならないって、こんな、

こんな、苦しいんだなー。

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