君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
逢にもう一度笑いかけて自分の席に戻る。
横目で彼女を見ると、まだそこに立ちつくしたまま少し俯いていた。
どんな顔をしているのかはなんとなく想像できて、多分俺の事を考えているんだろうな。
自惚れだったらすっげぇ恥ずかしいけれど。
まぁ、9割間違いではないだろう。
担任が教室に入ってくる頃には全員席に着いていて本を読んだり、まだ終わっていない夏休みの課題をしたりと、各自勤しんでいた。
ショートホームルーム、短学活、小学生風に言えば朝の会が終わって始業式のために体育館へ向かう。
暑い中で行われる苦手な長時間の式は眠くて眠くて、いつもの授業よりも倍瞼が重く感じる。
とうとう落ちてきた瞼のせいで真っ暗になった世界の中に、オレンジの記憶が蘇った。
俺より遥かに背の高い向日葵が彼女をより綺麗に引き立てて、本当に世界に二人だけのようだった。