君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。

『…ごめん、今だけ。もう、裕也のもんなのは知ってるから…悪い、少しだけ、貸して』


今だけ貸して、なんて腑抜けたこと言って友達の彼女抱きしめるとか最低すぎる……

なんであんなことしちまったんだ。

あの向日葵畑から帰ってきて、ずっとその後悔に苛まれている。


俺の気持ちダダ漏れじゃねぇかよ…

逢が鈍感だから良かったものの、他の奴らにはもろバレだし…


だから関係ねぇやつにも『雪白さんと付き合うのは…』とか言われんだろ、俺の馬鹿。

裕也にどんな面下げて会えってんだ。


………もう、逢に自分から触れるのは、あれで最後にしよう。

逢が泣いた時だけ、逢を慰める時だけ。

“友だち”として、逢と接する時だけ。


そうしないと、ダメだ、そろそろ気持ちが溢れてしまう。

…慣れないと、逢がほかの男と居るのに、もう慣れねぇと。

< 226 / 359 >

この作品をシェア

pagetop