君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
俺は逢の、ともだち、だから。
そうやってグルグルと考えているうちにも、たんたんと式は進んでいき、蒸し暑い体育館からやっと開放された。
九月と言ってもまだ秋天候には程遠く、残暑もあり夏日だ。
これから少しずつ寒くなって、俺たちには別れが近づく。
何とか、秋までには、逢を精いっぱい笑顔にしてやりたい。
それで、裕也に任せて、冬には、もう別れの準備をしておこう。
彼女やみんなが、俺のせいで泣かなくてもいいように。
“さよなら”の準備を、始めよう。
「…那知?、部活行くぞ」
理久の手が俺の肩に触れて、ハッとする。
「あ、おう…」
実のところ、今日で部活も辞めようかと思っている。
部活の時間ももったいない気がしてならない。
こんなの部活が大好きな奴らに言ったら、どうなる事やら。