君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「……そうか」

そう言った理久が少し寂しそうで、強く背中を叩いた。


「痛てぇ!…何すんだよ!」

「わりぃ、力加減間違えたわ」

ぶつくさ文句を言っている理久に笑いかける。


「理久、部活辞めるけど、サッカーは辞めねぇよ、また、一緒にやろうな」

「……おう」

最後にもう一度ありがとうと呟いたところで、他の部員も入ってきた。


それからは少し大変だった。

監督とキャプテンに辞めたいと退部届けを出すと、泣きながら止められてそれでも他にやりたいことが出来たと言うと、諦めたように笑って頑張れと思いっきり背中を叩かれた。

翌日正式に俺が辞めると部員にキャプテンから告げられた。

やっぱりここでもしつこく辞めんなと言われたけれど、最後には笑って背中を押してくれた。

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