君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
これまでたくさん支えてくれた母さんは、きっと俺がサッカーを好きなこと一番知ってたから、すごく驚いていた。
今まで支えてくれたのに、ごめん。
そう言って深く頭を下げた俺に、母さんは優しく笑って「那知がやりたい事をやりなさい」と後押ししてくれた。
「…俺、母さんの子供でよかったよ」
珍しくそんなことを口にした俺に母さんは少し涙ぐんで嬉しそうに微笑んだ。
その顔を目に焼き付けると同時に、恩を仇で返すような形になってごめん、と胸中で謝った。
「…那知、何で部活やめたの?」
その翌日、朝からバスで会った逢に聞かれた。
「他に、しないといけないことが出来たんだ」
その言葉に彼女はもう何も尋ねようとせず、「頑張れ」と小さく笑った。