君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。

部活を辞めてからは、一日が前より少し早く感じる。
明るいうちにバスに乗ってるのも最初は、違和感しかなかった。

けれど、

「那知」

「ん、逢」

帰りのバスも彼女と一緒なことが増えた。


相も変わらず、指定席に座る逢と、その通路を挟んだ横に座る俺。


「最近、寒くなってきたな」

中間服から、ブレザーに移行した人もチラホラと出てきた。


「ね、私冬好きだから嬉しいな」

「冬は寒いからなぁ……」


「ふふ、私も寒いのは好きじゃないけど、雪が好きなんだ。この辺はあんまり降らないけど」

「…俺も、雪は、嫌いじゃない」



君に、似てて。

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