君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


雪に似ている、彼女も、きっと。


過去にも、後悔にも、何にもとらわれず、自由に生きているのが、いちばん綺麗なのだろう。

うん、向日葵のような笑顔が、俺はとても好きだ。


時計はもう一日の終わりを告げようとしている。


そろそろ寝るか…

ドサッと倒れ込んだベッドのスプリングが沈む。

時間が無いとわかっていても、無駄には出来ないと知っていても、眠気はやってくるのだ。


電気を消した真っ黒な部屋。

少しだけ窓から入り込んだ月の光が、積もった雪のようだ。

ゆっくりと目を閉じると、その白い光さえもなくなってしまう。


深くに沈んでゆく。

寝るのはあまり好きじゃない。

起きるのが億劫だから。


それでも、睡魔は、やってくる。

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