君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
「……となりに居たのは俺だったのに…」
開けた窓から入り込んだ秋風が、俺の髪と似た色のカーテンを揺らす。
きらきら夕日に光ったなびく髪が、見慣れているはずなのに、やけに眩しくて。
目をつぶった拍子に零れたもの。
それにはもう…
変な言い訳も、誤魔化すように拭うことも、隠すこともしなかった。
静かに、不規則に、こぼれ落ちる。
やまない雨はないように、ずっと晴れ続ける空もなくて。
この涙のように、ずっと続くものは限りなく少ないのだろうけど、俺のこの想いみたいに、きっと終わらないものもあるのだろう。
窓の外にふたつの長い影が揺れる。
校門を曲がって見えなくなった彼らのオレンジの背中は、眩しくて、切なくて、
気付けば頬は、濡れていた。