君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
なんとかキッチンを見つけて、逢の部屋にあったぬるく濡れたタオルを水で冷やす。
再び彼女の白い部屋に入って、彼女が眠るベッドに腰掛けた。
すぅ、と小さく寝息が聞こえる。
もう、寝たのか…
最近、元気なかったからな……
普通の風邪じゃなくて、知恵熱とかなのかもしれない…
「…無理してんなよ……」
ヒヤリとするタオルを額に乗せると、少しだけ苦しそうな顔も楽になったみたいだ。
眠気を誘う、彼女の少し幼い寝顔。
腰掛けていたベッドからおりて、床に座り込む。
ベッドに体を預けて、なすがままに目をとじた。
窓から入り込んでいた濃いオレンジは、少しずつ紫に変わってゆく。
そんなことにも気付かないまま、彼女のそばで、夢の中へ落ちていった。