君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
でも、一応、連絡入れとくか……
制服のポケットに入れていたスマホを手に取る。
友達んちに泊まった。とだけ送って画面を閉じた。
「…逢、具合は…?どう?」
「……うん、もうあんまり辛くないし、シャワー浴びてきたとこ」
昨日みたいに、だるそうな逢はもう居ない。
「…そっか、よかった。」
「……那知、制服のままだね…そのまま来てくれたの…?…ごめんね、ありがとう」
「や、いいんだ。逢が元気になったんならそれで」
安心したら急に制服が苦しく感じて、ネクタイをグッとゆるめる。
「……那知は、やっぱり優しいね」
優しいだけじゃ、こんなに必死に君に逢いには来ないよ。
……なんてね。
「昼ごはんでも食べようか。なんか作るよ、キッチン借りていいか?」
「那知ほんとになんでも出来るんだね。大丈夫だよ、私も一緒に作りたい」
「…だーめ、まだちゃんと風邪治ってないんだから、休んでなさい」
軽く頭を小突いてにっと笑う。
そんな俺に逢は諦めたように笑って、軽い返事をした。