君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
「食欲ある?粥にする?」
「うん、じゃあ、お粥作って欲しいな」
「了解、待ってて。すぐ作る」
逢が布団に入ったのを横目に部屋をでる。
昨日入ったキッチンへ足を運んで、ひとんちのキッチン使ってんの違和感しかないなと、ふと思った。
調味料とかはまとめて、わかりやすい所に置いてあって、戸惑うこともなく淡々と事をこなした。
出来たての粥は白い湯気を立てて、これでもかという程に熱さを想像させる。
「逢、出来たよ」
「…わ、すごい。美味しそう」
長い髪を後ろでひとつに括った逢は、粥を少し乗せたスプーンを口へ運ぶ。
ふー、と猫舌なのか、やけに念入りに冷ます姿が可愛い。
「ん、美味しい…美味しいよ、那知」
「…そうか、よかった」
頬を薄く染めて嬉しそうに笑う彼女に少し口角が上がる。
「あれ、那知もお粥?」
「あぁ、面倒で、俺も粥でいいかって思って」
「ふふ…那知って自分に関してはズボラなとこあるよね。那知らしい気もするけど」