君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「うん、よかった。ありがとう」


先に教室に戻ろうとする彼を、今度は俺が呼び止める。


「裕也、…今度、また理久も誘って遊ぼう」

「…ふふ、うん、遊ぼう」

嬉しそうな彼の笑顔に、ほっとして、俺も笑顔に自然となっていた。


俺も彼の背中を追って教室につくと、すぐに鐘が鳴って、授業が始まった。


…それにしても、逢からの話って……なんだろう。

家のことで、またなんかあったのかな。


いや、多分…裕也と別れたことの話…か。



考えてもわからないけれど、少し待てばそれがわかる。

逢が話してくれるのなら、いつでもちゃんと聞くから。


そんなことを思いながら、見覚えのある数式をノートに書き写していた。


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