君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「那知、あのね」

体を離しても、温もりはまだ残っている。

逢はカバンから何かを探しているようだ。


「これ…クリスマスプレゼント」

「…え、あ、ありがとう。開けていい?」

頷いた逢を見て、小さな包み紙を開けると、銀色に光るもの。


「……ピアス…?」

「うん、那知…片方だけだけど開けてるでしょ?」


「ありがとう…嬉しい」


銀色に光る雪の形をしていた。

彼女によく似た、綺麗な華の形。


「大切にする」

左耳に付けていた安物の小さな黒いピアス。

ピアスホールを開けたのは、本当に何となくで。

だからピアスにこだわりなんてなかったのだけど、開けといてよかった……

「…今、付けていい?」

「うん…」

左の横髪を耳にかけて、ピアスを付け替える。

「…ど?似合ってる?」

「…すごく綺麗。那知は、雪に似てるから…似合うと思ったんだ」

…雪に似ている。


俺はそれを、君にずっと思っていた。

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