君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
「なぁ、逢」
「ん?」
「目、瞑って」
逢は不思議そうに首を傾げて、目を瞑る。
「少し寒くなるけど…ごめんな」
彼女がしていたマフラーを外して、用意していたプレゼントを彼女に付けた。
スマホをポケットから取り出して、カメラを起動する。
「いいよ…どう?」
「……わぁ、可愛い…」
インカメラにした画面の中の逢は、首からネックレスを下げている。
もちろん、俺のプレゼントだ。
「すごいだろ、偶然」
俺も、彼女に雪の華を贈ったのだ。
「…うん、ありがとう…すごく、綺麗なネックレス」
「俺も、逢は雪に似てると思ってた」
「…嬉しい…ずっと、大事にする」
きゅっとネックレスを抱きしめて涙を流す彼女が、ただただ愛おしかった。
寒そうな首元に、またマフラーを巻いてあげる。
そのままふわりと抱きしめた。
「逢が好きだよ…ずっと、離れても、ずっと」
「私も、好き」
耳元で囁くように聞こえた優しく、切ない声に胸が苦しい。
「俺が、いなくなったら…逢は、そのネックレス、外すんだよ…約束」
「……捨ては、しないからね」